- ホーム
- 境内自然環境
Back bone
此の東禪寺境内に自生するアカガシやシイ、タブノキなどの常盤木の森は
景観及び健全な地球環境に大きく貢献しています。
此の境内の自然環境を保全していくことは当該住職の使命と考えます。
けれど當初どのように管理していいのかその確かな根拠となるBackboneが不明瞭でした。
2010-H22東禪寺開創400年を迎えるに當り記念企画を検討していた或る日、
地球環境戦略研究機関 国際生態学センター長宮脇昭先生のその理論と実践、
「地球上のすべての人々の生存と健全な生活環境のための自然環境の回復と創造」を
目的とする土地本来の木を主木としてその植栽方式と実践に出会い
「見つけた!此処にあった!」と歓喜し魅了させられました。
どんぐりの森づくり 回復と創造
東禪寺は平成22年(2010)開創400年を迎えました。開創400年企画のひとつとして
「遙かなあしたを植える」をテーマに地球環境戦略研究機関 国際生態学センター長の
宮脇昭先生と一緒に2010.04/18及び2011.04/17に『東禪寺どんぐりの森づくり』を
実施し、境内地にのべ500名で45種2800本の植栽をしました。
経済効果が最優先される現在、敢えて此の都内の高輪に経済効果0の雑木林を創造して
私たちの生存に大切な事は何かをふりむかせる企画でした。
植栽當日、先生の著書から「森はさまざまな木がお互いに競い合い棲み分けて
我慢しあいながら共生して森を形成しています。我慢できない木は枯れてゆくしかない。
此れは地球上の生きものの厳格な掟です。
植物は植えられた処が生きてゆく場処、時代や環境が悪いなんて言い訳しない。
みなさんが植えられた苗木は生命を賭けてまっすぐ直向きに生きてゆきます。
どうぞみなさんも直向きに精一杯がんばってください。」と挨拶しました。
危機管理
近年、地球環境の気象の変化に伴い夏は台風の巨大化、或いは冬の大雪など風雪に
折れる裂ける倒れるといった甚大な被害に曝されます。
かつて書院の屋根を押潰して倒れた樫の大樹がありました。
屋根は修復すれば直りますが、此の樫の大樹はこれだけ大きくなるのに
どれほどの歳月がかかるのかとガッカリしました。
自然環境を大切に想えばこそ、その哀しみは尚更です。
タブノキを植栽すると苗木はまっすぐ空に向かって成長します。
宮脇先生がタブノキが大好きなそのキモチがよくわかります。
しかしクスノキ科の哀しい宿命か大雪には脆い。
2014.02/15都内積雪28㎝の大雪の惨状にはずいぶん泣かされました。
危機管理はRiskmanagementとCrisismanagement、起こらない工夫が8割と
言いますが、どんなに工夫をしてもそれでも事は起こります。
有事に際して絶えず自然環境の回復と創造を標榜し、遙かなあしたを見据えて植栽する。
そして「私は振向かない。まっすぐ前を向いて生きてゆきたい。」
此の宮脇昭先生の言葉や直向きに生きる姿勢にうつむいて挫けそうになる私が
その都度、どれだけ助けられ希望と勇気をいただいたかわかりません。
尚、「緑の自然環境を大切にしましょう」をテーマとして例年秋に東禪寺本堂内で
「東禪寺 緑のコンサート」を企画しています。